アルミニウム合金線材

Aluminum Alloy Wire

アルミニウム合金線材は、アルミニウムと他の⾦属を混ぜて作られた線材です。純アルミニウムは極細径への伸線加工が難しく、実⽤範囲が限られています。アルミニウムの軽さを最⼤限に活かしつつ、極細伸線加⼯性に特⻑をもつことで、アルミニウム線が裾野広く活⽤される未来の実現に貢献します。

加工プロセス

鋳造〜圧延〜伸線まで⼀貫した生産体制を確⽴しています。少量多品種のものづくりを得意としています。

主な試験装置

元素分析のための固体発光分光分析装置のほか、機械的特性評価のための引張試験機、組織観察のための顕微鏡類を保有しています。

製品の特長

軽量で高強度

当社のアルミニウム合金線材の比重は純アルミニウムとほぼ変わらず、銅と比べ約3分の1です。強度は純アルミニウムと比べて約2倍(軟材比)です。

銅・アルミニウム・当社アルミニウム合金の比重

強度と導電率のバランス

当社のアルミニウム合金は、純アルミニウムより高強度で、一般的なアルミニウム合金より導電率が高く、特性のバランスを重視した合金です。

Al-Fe合金の位置づけ(汎用アルミ合金との特性の比較)

極細伸線性

当社のアルミニウム合金は当社独自の鋳造法により、純アルミニウムでは困難とされてきた極細伸線加工に対応しています。 中間焼鈍無しで母材からΦ0.05㎜まで加工可能です。

(拡大写真)アルミニウム合金線φ0.05mm

製品仕様

型式 DA1-C-11
組成 Al-Fe系合金
対応線径 mm Φ0.45〜φ2.0
引張強度 MPa 270
伸び率 % 9
導電率 %IACS 54.5

注意事項

数値は線径φ0.45mm、硬材の参考値であり、特性を保証するものではございません。
軟化条件によって特性は変化しますのでご留意ください。
ご指定のサイズやご要望の特性がございましたらお気軽にご相談ください。

加工線

素線提供のほか、加工線での提供についてもご相談を承っております。
対応実績:撚線、エナメル線、被覆線、ワイヤーハーネス、導電シート

スタッフコメント

導体開発課ではアルミニウム合金線材を始めとして様々な形態のアルミニウム合金加工品の製品開発や製造条件の検討、合金組成の研究などをおこなっています。
少人数ではありますが技術職、技能職、営業職が一丸となって活動することで、お客様の多様な要望に応えられる体制を築いており、そのことが私たちの強みになっています。

課員同士のコミュニケーションを大切にしているため変化点などの情報共有もしっかりできており、安定したものづくりや手戻りの少ない研究開発につながっていると考えています。
これからもお客様第一をモットーに、お客様に求められる製品、品質の安定した製品をご提供できるよう、日々研究開発に励んでいきます。

技術開発本部 研究開発部 導体開発課
Y.U